旧一円券など、いわゆる「大黒札のネズミは何ネズミなのか?」最終回です。
前回は社会科学的?にアプローチしたわけですが、今回は自然科学的?に。
我が国には、ネズミ(齧歯)目の動物が26種います(本川ら, 2006)。
ここから絞っていきますよ。
ここから絞っていきますよ。
ヤマネやモモンガなどネズミ科ではないものを除外すると、7種減って19種。
米1俵の大きさは時代によってまちまちですが、全国的に大きさが統一された明治時代では約60kgとされています(国立国会図書館, 2013)。
だけど円柱の直径についての規定は見つけられません。
ネットショップにある米俵を見ると、直径47cmぐらいのものが主流です。
だけど円柱の直径についての規定は見つけられません。
ネットショップにある米俵を見ると、直径47cmぐらいのものが主流です。
これを参考にすると、大黒札のネズミは米俵の半分くらいの大きさなので、このネズミの頭胴長をおよそ24cmとしました。
とすれば、これよりずいぶん小さい以下の16種が除外されました。
・タイリクヤチネズミ
・ムクゲネズミ
・ヒメヤチネズミ
・ヤチネズミ
・スミスネズミ
・ハタネズミ
・アマミトゲネズミ
・オキナワトゲネズミ
・カヤネズミ
・セスジネズミ
・ハントウアカネズミ
・アカネズミ
・ヒメネズミ
・ナンヨウネズミ
・ハツカネズミ
・オキナワハツカネズミ
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一気に残りは以下の3種になりましたよ。
・ドブネズミ
・クマネズミ
・ケナガネズミ
まずはケナガネズミ。
これはちがうだろッて感じですw
これはちがうだろッて感じですw
ケナガネズミ |
頭胴長は22-33cmで大きさはマッチしそうですが、尻尾の先が白く、背中にはパヤパヤと長い毛が生えています。
そもそもケナガネズミは、沖縄や奄美大島、徳之島にしか生息していないんです。
これを大黒様の足元に配置するとしたら、よっぽどの理由がソースとして出てくるのでは?
で、
・尻尾が頭胴長よりも短い→ドブネズミ?
・耳が大きく前に倒すと目に達する→クマネズミ?
・体ががっしりしている→ドブネズミ?
となってしまい決め手がありません・・・でも、見た目にはドブネズミが近いでしょうか?
![]() |
上がクマネズミ。下がドブネズミ。 |
しかし、今回の調査では対象としたネズミは日本にいる19種から。
で、大黒札をデザインしたのはイタリア人のキヨッソーネさん。
「イタリア~ノには、このネェズ~ミが、イルゥ~の!」と、もしかしたらキヨッソーネさんは天国から言ってるかもしれませんが、ここらで勘弁してください。
動物分類別集計
動物分類別集計
哺乳類 [2国6紙幣8種10点:合計5245円] | ||||
種名 | 国名 | 現地通貨 | 日本円 | |
コブウシ(家畜) |
マダガスカル
| 500フラン | 4 | |
コブウシ(家畜) | 500アリアリ | 18 | ||
コブウシ(家畜) |
5000フラン
| 37 | ||
ワオキツネザル | 37 | |||
カンムリシファカ | 37 | |||
アカエリマキキツネザル | 37 | |||
シロクロエリマキキツネザル |
1000アリアリ
| 37 | ||
アイアイ | 37 | |||
ネズミの一種(ドブネズミ?) |
日本
| 1円 | 1 | |
ライオン? | 5000円 | 5000 | ||
鳥類 [3国5紙幣7種7点:合計11133円] | ||||
インドクジャク | マケドニア | 10デナール | 21 | |
Madagascar Pygmy-Kingfisher(カワセミの仲間) |
マダガスカル
|
5000フラン
| 37 | |
Madagascar Fody(ハタオリドリの仲間) | 37 | |||
ヘルメットモズ | 37 | |||
キジ |
日本
| 10000円 | 10000 | |
タンチョウ | 1000円 | 1000 | ||
ニワトリ | 1円 | 1 | ||
は虫類 [1国1紙幣1種1点:合計37円] | ||||
ヘサキリクガメ | マダガスカル | 1000アリアリ | 37 | |
その他 [1国1紙幣1種1点:合計37円] | ||||
Comet Moth(ガの一種) | マダガスカル | 5000フラン | 37 |
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地域・国別集計
ヨーロッパ [1種1紙幣:合計21円] | ||||
マケドニア共和国 [1種1紙幣:合計21円] | ||||
鳥類 [1種1紙幣1点] | 10デナール | 21 | ||
アフリカ [11種4紙幣13点:合計429円] | ||||
マダガスカル共和国 [11種4紙幣13点:合計429円] | ||||
哺乳類 [6種4紙幣8点] | 6600アリアリ | 244 | ||
鳥類 [3種1紙幣3点] | 3000アリアリ | 111 | ||
は虫類 [1種1紙幣1点] | 1000アリアリ | 37 | ||
その他 [1種1紙幣1点] | 1000アリアリ | 37 | ||
アジア[5種5紙幣5点:合計16002円] | ||||
日本国 [5種5紙幣5点:合計16002円] | ||||
哺乳類 [2種2紙幣2点 | 5001円 | 5001 | ||
鳥類 [3種3紙幣3点] | 11001円 | 11001 |
[引用・参考文献]
阿部 永 監修, 日本の哺乳類[改訂2版], 東海大学出版会, 2008
国立国会図書館. レファレンス事例詳細(Detail of reference example), トップ > レファレンス事例詳細, 2013, http://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000131356, (アクセス日;2016.3.27)
本川雅治, 下稲葉さやか, 鈴木聡. 日本産哺乳類の最近の分類体系 -阿部(2005)とWilson and Reeder(2005)の比較-, 哺乳類科学, 46(2): 181-191, 2006