2016年2月27日土曜日

看板アーカイブ04・『ブラッザって誰?』

全国のピュアなキッズたちの疑問に、ロン毛のオッサンが答えるこのブログ!
どーも、ロン毛のオッサンです。

本日はブラッザグェノンから!

ブラッザのマキャベリくんにクジャクの飾り羽をプレゼント。

前回は「コロブス」でしたが、『じゃー「ブラッザグェノン」の「ブラッザ」ってなんなのよ?』という、ピュアな疑問から生まれたのが下記の看板。

---------------------------------以下、看板から引用

一年でかなり古透けてしまう

『ブラッザって誰?』

ブラッザグェノンの名前は、このサルを発見したピエール・ブラザ(1852.1.26-1905.9.14)さんが由来となっています。

ブラザさんはイタリア系フランス人で1870年代から活躍したアフリカ探検家です。

サルの名前だけでなく、コンゴ共和国の首都ブラザビルも彼の名前にちなんだものです。

ブラザビルには、「コンゴ発見の父」として彼を記念する大きな霊廟があります。彼はそこで奥さんと4人の子どもたちとともに眠っています。



---------------------------------引用おわり


んで、写真は以下のとおり。

Ps-debrazza-nadar
ブラザさんのご尊顔。

右上には、ブラザさんのお写真?を貼りました。
キャプションには「ブラザさん。イケメン!」なんて書いてあります。偉人に「イケメン!」って・・・w

左下には、アフリカ大陸の地図を貼って、コンゴ共和国の部分をピンク色に塗ってあります。
Google Mapではこちら。隣には「コンゴ民主共和国(旧ザイール)」がありますので、お間違いなく。

右下には・・・

Mosobrazza
キャプションは「ブラザビルにある霊廟」

その霊廟の写真を貼りました。
まるで自分が撮ってきたような写真ですがw、Wikimedia Commonsからの引用です。

ぼくは、動物園職員ですけど、こういう歴史とか文化とか、そういう「人の関わり」というのが好きです。
どっか出かけても、フィールドに出て動物を追っかけるより、寺社仏閣を見てるほうが好きだったり・・・いいのかな?www

コンゴ共和国に行く機会があったら、ぼくは野生のブラッザグェノンはもちろん、この霊廟も絶対に見に行きたいなって思ってます。

2016年2月21日日曜日

看板アーカイブ03・『コロブスの親指』

今回のアーカイブはアビシニアコロブスから。ぼくは、「コロブス」って略すことが多いです。

白と黒の毛皮が美しいサルたちです。


まずは、看板の引用を御覧ください。

---------------------------------以下、看板から引用


去年春に撤去してたのが手元にあった

『コロブスの親指』

コロブス「Colobus」は、ギリシャ語で「短くした」を意味し、彼らの手に親指がないことが由来になっています。

樹上生活者であるコロブスは木から木へ素早く移動するために親指が退化しました。

親指がないためモノをつかむのは得意ではありませんが、彼らの主食は動かない木の葉です。

ちなみに、大西洋航路を発見したコロンブスとアビシニアコロブスは・・・・・・

 一切関係がありません! 

---------------------------------引用おわり

この看板、もとは「コロブスって、コロンブスと関係あるんかなぁ?」という、ぼくのピュアwな疑問から生まれた看板です。

まぁ、そもそもスペルが「Colobus」と「Columbus」でぜんぜん違うので、その時点でまったく関わりがないのがわかるのですが・・・w

んで、キャプションには何を書いているのかというと・・・

Colobus_08
右上の写真



右上写真のキャプションは「親指はもともとない」とし、コロブスの手の写真を掲載しました。

んで、左下には

Ridolfo Ghirlandaio Columbus
クリストファー・コロンブスさんのご尊顔

コロンブスさんの肖像画を貼ったわけですが、キャプションのネタに困って・・・

「類似品にご注意ください!」というワケのわからないことを・・・
こんなふうに、ぼくはいつも真面目にフザケていますw

2016年2月14日日曜日

お金になった動物たち(その2.2・マダガスカル共和国)

このシリーズには一応のルールがあって、「現在その国で有効な紙幣に掲載されている動物」というふうにしています。


んで、マダガスカル共和国の続きです。

紙幣に掲載されるということは、やはりその国を代表する動物なのではないかと考えられますよね。

それぞれの国にはそれぞれの国を代表する動物があって、例えば我が国・日本国であればニホンキジが国鳥になっています。

現在は発行されていませんが、有効な1万円紙幣の裏面にはニホンキジが描かれています。

Series D 10K Yen Bank of Japan note - back
1984年発行、2007年支払い停止のD号券

マダガスカルはアフリカ大陸から離れて独自の生態系を持ち、多くの固有種がいます。そのおかげなのか?、マダガスカルの紙幣には4種類の紙幣に11種もの動物が登場するわけです。


んじゃーマダガスカル共和国の『国獣』はなんなのか?調べてみました。

全国のワオキツネザルファンのみなさん、朗報ですw
マダガスカル共和国の国獣は「ワオキツネザル」ですよ!

国獣であることを知ってビックリするフリードリヒくんw

ワオキツネザルは5000マダガスカルフラン(1000アリアリ・約37円)に掲載されています。

ぼくの大好きな動物が、そして担当させてもらった動物が、国獣だったなんてホントーに光栄です!(担当してるときに知っとけよ!w)


それともう一つ。
同じく5000マダガスカルフランに掲載されているチョウの種名がわかりませんでした。

「Madagascar Butterfly」でググってみると「Comet Moth」ではないかと判断できました。

Argema mittrei 01
Comet Moth。なんともこの模様が・・・

ぼくはですね、動物園職員のくせに昆虫系がちょっと苦手ですw
つか、なんでそんな模様なんだよ・・・

マダガスカル共和国は、なぜこのガを紙幣の柄に選んだんでしょうね?調査を続けます。

動物分類別

哺乳類 [1国4紙幣6種8点:合計244円]
種名国名現地通貨日本円
コブウシ(家畜)
マダガスカル
500フラン4
コブウシ(家畜)500アリアリ18
コブウシ(家畜)
5000フラン
37
ワオキツネザル37
カンムリシファカ37
アカエリマキキツネザル37
シロクロエリマキキツネザル
1000アリアリ
37
アイアイ37
鳥類 [2国2紙幣4種4点:合計132円]
インドクジャクマケドニア10デナール21
Madagascar Pygmy-Kingfisher(カワセミの仲間)
マダガスカル
5000フラン
37
Madagascar Fody(ハタオリドリの仲間)37
ヘルメットモズ37
は虫類 [1国1紙幣1種1点:合計37円]
ヘサキリクガメマダガスカル1000アリアリ37
その他 [1国1紙幣1種1点:合計37円]
Comet Moth(ガの一種)マダガスカル5000フラン37

地域・国別

ヨーロッパ [1種1紙幣:合計21円]
マケドニア共和国 [1種1紙幣:合計21円]
鳥類 [1種1紙幣1点]10デナール21
アフリカ [11種4紙幣13点:合計429円]
マダガスカル共和国 [11種4紙幣13点:合計429円]
哺乳類 [6種4紙幣8点]6600アリアリ244
鳥類 [3種1紙幣3点]3000アリアリ111
は虫類 [1種1紙幣1点]1000アリアリ37
その他 [1種1紙幣1点]1000アリアリ37

2016年2月2日火曜日

看板アーカイブ02・『誰が悪いの?』と『私たちの未来』

今日のブログはね、ちょっとマジメに行きますよ。どーも、ロン毛です。
びろびろぼよ~んwwwww

今回の看板アーカイブもエゾシカから。ぼくの飼育キャリアを形成してくれた偉大な動物たちです。
まずはこちらをご覧ください。

---------------------------------以下、看板から引用

『誰が悪いの?』

 明治初期、エゾシカは乱獲などで絶滅の危機にあり、1889(明治22)年に狩猟禁止となりました。

 主食のエゾシカの減少で、エゾオオカミもその数を減らしていました。しかし、オオカミは家畜を襲うという理由で駆除され続け、1896(明治3829)年、あっという間に地球上から姿を消します。

 天敵を失ったエゾシカは、どんどん増え続けます。現在では逆にシカの増えすぎが問題化し、駆除されています。他の地域のオオカミを北海道に再導入しようという考えさえあります。

エゾオオカミは悪いヤツだったんでしょうか?
今のエゾシカは悪いヤツなのでしょうか?
一体、誰が悪いのでしょう???

---------------------------------引用おわり

この看板と同様なことをフィーディングタイムでも、お客様にお話してきました。
最後の一文ですが、誰が悪いのかってズバッと言えば『人』ってことになりますよね。

でも、ちょっと考えてみると・・・生粋の道民であるぼくは、「これって自分のご先祖様を批判していることにならね?!」って思ったわけです。

100年以上前、ぼくのご先祖様たちは、この北海道の厳しい自然環境の中に、それこそ決死の思いでやってきて開拓していったんだと思います。

ご先祖様たちの血の滲むような努力の結果が、今ぼくが暮らす豊かな北海道なわけです。

というわけで、2010年春に、この看板は撤去して以下のものに変更しました。

---------------------------------以下、原稿から引用

写真が見つからず原稿から(;´Д`)
『私たちの未来』

 100年前の北海道は、開拓の歴史の中にありました。今の豊かな北海道があるのは、先人たちの努力によるものです。

 この時期、エゾシカは乱獲や大雪などで絶滅の危機にあいます。1889(明治22)年には、狩猟禁止となって保護されました。

 一方、主食のシカの減少で数を減らしていたエゾオオカミは、「家畜を襲う」という理由で駆除され続けます。1896(明治3829)年、彼らはあっという間に絶滅します。

 天敵を失ったエゾシカは増えていきました。そして、今、エゾシカの増えすぎが大問題です。

 100年前、どうしたらよかったのでしょうか?
 今、増えすぎたエゾシカはどうしたらよいのでしょう?
 100年後、野生動物と人はどうなっているでしょう?
---------------------------------引用おわり

ウチの動物園は、「お客様に環境についてお話すること」が不文律になっています。
だけど、動物がらみの環境問題は、どうしても人がワルモノになってしまいがちです。

言ってしまえば、「ヒトが絶滅するのが地球にとって一番よくね?」ってなっちゃいます。

マカロニくんと未来を考えたい

でも、環境を良くすることができるのも私たち人ですよね。
そんなことを担当動物と一緒に伝え、そして、お客様と一緒に考えられる動物園教育者でありたいなって思ってます。